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人工ダイヤモンドと天然との違いは?エシカルなジュエリーを取り入れよう

ジュエリー業界では近年、人工ダイヤモンドが注目されています。本記事では、人工ダイヤモンドの天然ダイヤモンドとの違いを解説するとともに、人工ダイヤモンドが評価されている背景に迫ります。また、ジュエリー業界で需要が高まっているダイヤモンドのリフォーム・リメイクの、エシカルな観点でのメリットの数々も紹介。

人工ダイヤモンドとは

ダイヤモンドとピンセット

出典 Shutterstock

人工ダイヤモンドは、天然石であるダイヤモンドを人工的に作ったもの。作り物ということで、偽物のダイヤだと思われがちですが、実はきわめて天然ダイヤに近い物質なのです。

人工的に合成されたダイヤモンド

天然ダイヤモンドは人の手が加わっていません。それに対して、人工ダイヤモンドは人工的に合成されたもので、合成ダイヤモンドとも呼ばれます。ただし、人工ダイヤモンドも原料に天然ダイヤモンドと同じ炭素を使用しており、素材としては同等で、れっきとしたダイヤモンドです。

構造上は天然ダイヤモンドと同じ

天然かそうでないかの違いはあれども、宝石としての品質に大きな違いはありません。化学成分、結晶構造、光学的特性、物理的特性において天然ダイヤモンドと同じ性質であることが証明されています。中には、ダイヤモンドの鑑定機関IGI(International Gemological Institute)が、クオリティの高さを認めた人工ダイヤモンドも存在するほどです。

生成技術向上によりジュエリーとしての価値も向上

人工ダイヤモンドは、以前は人工生成技術が現在ほどのレベルではありませんでした。見た目の美しさが天然ダイヤモンドにおよばず、工業用製品に使われるのが主流でした。近年、人工ダイヤモンドを生み出す技術が向上し、見た目も追いついたことで、ジュエリーとしても重宝されるように。2018年5月にデビアス(DEBEERS)社が宝飾用に人工ダイヤモンド発売を発表したことからも、ジュエリー市場での人工ダイヤモンドの位置づけが向上していることがうかがい知れます。

人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンドの違い

ダイヤモンドの鑑定をする男性

出典 Shutterstock

天然ダイヤモンドと同じようにジュエリーとしても活用される人工ダイヤモンド。天然ダイヤモンドとの違いはどこにあるのか、見た目・構造・価格の視点で比較し解説します。

肉眼では見分けがつかない

人工ダイヤモンドの天然ダイヤモンドは肉眼では同じように見え、鑑定士でも見分けるのが困難なものも存在します。ただし、作られる過程や環境が違うので、物質的な違いがあります。天然のものは長い年月の中で複雑な環境変化にさらされた結晶なので、個体ごとに差があり、正に唯一無二の宝石。さらに、査定用の用具で結晶の形を確認すると、天然ダイヤモンドは8つの正三角形を組み合わせた八面体で構成されていることがわかります。一方、人工ダイヤモンドは6つの正方形からなる立方体面のものが多いです。

短期間で生成できる

天然ダイヤモンドは地球の奥深くで長い年月をかけて生成されますが、人工ダイヤモンドは生成までの期間がきわめて短いのが特徴です。人工ダイヤモンドは研究所で、数日から数週間の短い期間で完成します。

価格は天然ダイヤモンドの半分程度

人工ダイヤモンドの価格は、天然ダイヤモンドの半分ほどが目安です。価格の違いは希少性にあります。天然ダイヤモンドは自然が生み出した貴重な宝石で、採掘も容易ではありません。一方、人工ダイヤモンドは同様の特徴を持ちつつ、採掘せずに短期間で量産できるので安く購入できます。ちなみに天然ダイヤモンドの具体的な価格は、米国宝石学会(G.I.A)による品質評価国際基準で決められ、個体ごとに評価は異なるので価格にも差が生まれます。

エシカルな視点で人工ダイヤモンドが評価される理由

ダイヤモンド採掘を再現した人形

出典 Shutterstock

人工ダイヤモンドの魅力は価格の安さだけではありません。人工ダイヤモンドはエシカルジュエリーと呼ばれ、環境保全に関心がある人々に支持されています。人工ダイヤモンドがエシカルジュエリーと呼ばれる理由と、取り入れることによってもたらされるエシカルなメリットを紹介します。

採掘を回避して環境破壊を防げる

天然ダイヤモンドの採掘のためには、鉱山を切り崩す必要があります。これは環境や限りある資源の保全の観点では好ましくありません。ゴールドラッシュ時もそうでしたが、目先の利益を追うあまり、環境への配慮が届きません。現在でも、採掘が終わってそのまま放置された土地が荒廃していることが多いのです。一方、人工ダイヤモンドは採掘不要なので、環境破壊を防げて地球に優しいのです。

倫理的問題が絡まない

天然ダイヤモンドは、その希少性や価格の高さから紛争を起こす原因になることがあります。時には、人々が命の危機にさらされることもありました。また、採掘や生産の過程において、低賃金雇用や過酷な労働環境を強制するなどといった不当な労働も生まれています。ダイヤモンド鉱山での重労働を児童が強いられている現状も問題となっています。10年もの内戦が続いたシエラレオネでは、子どもが働き稼いだ資金が反政府軍の資金に流用という実例も。人工ダイヤモンドには、このような倫理的な問題が起きる心配がありません。

天然ダイヤモンドはリフォーム・リメイクがおすすめ

大粒ダイヤとダイヤモンドリング

出典 Shutterstock

自然の中で長い年月をかけて生成された天然ダイヤモンドは、希少性が高く高価なもの。眠っている天然ダイヤモンドがあれば、リフォームやリメイクをして有効活用するのがおすすめです。ここでは、リフォームやリメイクのメリットを紹介します。

既存のダイヤモンドをエシカルに活用できる

ジュエリー業界では近年、丈夫なダイヤモンドの特性を生かしたリフォームやリメイクが盛んです。今あるダイヤモンドを活用するので、新たに発掘しなくても天然ダイヤの輝きを楽しめてエコでエシカルな選択として注目されています。より使いやすく愛用しやすい状態にすることは、サステナブルな視点でも有意義です。

大切なダイヤモンドをいつまでも愛用できる

永遠の輝きがあるダイヤモンドを、引き出しに眠らせておくのはもったいないですよね。リフォームやリメイクは、形こそ変われども本質は変わらないので、より活用しやすい形に生まれ変わらせることができます。デザインの相談もできるので、世界にひとつのアクセサリーに変身させることも可能。また自分自身のものだけでなく、お母様やお祖母様から受け継いだ大切なダイヤモンドも世代を超えて愛用できます。

下取り価格を利用してリーズナブルに利用できる

下取り価格として値引きを受けた上でリメイクができるので、新品の天然ダイヤモンドを購入するよりリーズナブルです。ゴールドやプラチナなど、アクセサリーの土台の素材も活用可能な場合もあります。

人工ダイヤモンドを取り入れ、エシカルジュエリーを楽しもう

ピンセットでつままれるダイヤモンド

出典 Shutterstock

人工ダイヤモンドの活用はジュエリー業界のエシカルな動きです。天然ダイヤモンドと人工ダイヤモンドの大きな違いはその希少性であり、他の部分では限りなく同等に近いことを覚えておきたいものです。天然ダイヤモンドは、必要に応じてリフォーム・リメイクも利用し、ジュエリーに関してもエシカルな選択を心がけましょう。

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kaya
サムネイル: kaya
いつか欲しいものはエルメスのバーキン。それが似合う女になるべく、自分を磨いています。