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廃タイヤで作るサンダルが環境に優しくおしゃれ!ブランド「インドソール」に注目

世界中で大量に廃棄され続けているはタイヤは、環境への負荷が大きく社会問題になっています。その状況を打破すべく、近年注目を集めているのが廃タイヤでできたサンダルです。この記事では、リサイクルタイヤのサンダルで有名なインドソールについて解説すると共に、エコでサステナブルなリサイクルサンダルの可能性に迫ります。

廃タイヤで作るサンダルが評価される理由

廃タイヤの山

タイヤ廃棄問題を解消する手立てとして近年注目されているのが、廃タイヤで作られたサンダルです。なぜ今、廃タイヤで作るサンダルが評価されるのでしょうか。そこにはタイヤ廃棄の現状と問題点が隠されています。

タイヤ廃棄の現状

現在、世界中で毎年15億本というきわめて膨大な量のタイヤが廃棄されています。しかも廃棄本数は年々増加しており今後もこの傾向は続くと見られています。

日本国内では年間約100万トン、本数にすると約1億本ものタイヤが廃棄されているのが現状で、不法投棄・集積された廃タイヤの原状回復費用の総額は12 億円から37億円と見積もられています。比較的管理の行き届いた日本でもこの現状なので、世界的にも深刻な問題なのは明白です。

タイヤ破棄に伴う問題点①環境汚染

サイズも大きく処分も容易でない車のタイヤの中には、中間処理施設に長期間放置されたままのものが多く存在します。処分の手間や費用をかけたくないからと、河川などに不法投棄されることも。廃タイヤは土の中で溶けるものではないため、深刻な環境汚染の原因になります。

タイヤ破棄に伴う問題点②感染症蔓延の原因になる

熱帯地域においては山積みにされた廃タイヤが蚊の繁殖地になり、マラリア、デング熱、西ナイル熱など蚊を介して移るさまざまな感染症を蔓延させる原因になっています。また、タイヤに溜まった水は不衛生で、そこから放たれる異臭は人体にも有害で病気につながることもあるのです。

タイヤ破棄に伴う問題点③火災の原因になる

処理待ちや不法投棄の段階で山積みにされた廃タイヤから蓄熱火災が起きることも珍しくありません。落雷などにより火災が誘発されることも。こうした火災により、燃えたタイヤが大気、水質、土壌を汚染し、人体にも大きな健康被害を及ぼすのです。

廃タイヤでサンダルを作るメリット

黒い廃タイヤサンダル

廃タイヤの有効な活用法として近年注目を集めているのがリサイクルサンダルです。その動きは世界で広がりを見せています。廃タイヤでサンダルを作るとどのようなメリットがあるのでしょうか。

地球環境に優しい

サンダルの原料の合成ゴムは、石油を大量使用する新品よりも廃タイヤを再利用するほうが製造過程で排出される有害物質の量が抑えられます。新品のゴムを作る際に用いる天然資源の消費量も減らせる点でも地球に優しいです。また、リサイクル素材を使用したエコな商品を身につけることにより、消費者サイドの環境問題への意識の向上につながるのも、廃タイヤサンダルを作るメリットと言えます。

履き心地が良い

廃タイヤでできたサンダルは、環境に優しいだけでなく履き心地も良いと評判です。エコな上に品質も良いとなれば、人気が出るのも納得です。タイヤが原料なだけあって耐水性や耐久性が高く長持ちするため、サステナビリティの視点でも優れています。

バリ島発のリサイクルブランド「インドソール」

サンダル片手にバリのビーチを歩く女性

廃タイヤを使ったサンダルを作り始めたのは、バリ島発のブランド「インドソール」です。「インドソール」の歴史と特徴を紹介します。

廃タイヤ問題と向き合うブランド

「インドソール」は2009年にカイル・パーソンズ氏がインドネシアのバリ島で創業したリサイクルブランドです。2004年に初めてバリ島を訪れたパーソンズ氏が、バイクのタイヤをソールに使ったサンダルと出会ったのが創業のきっかけ。深刻な廃タイヤ問題に立ち向かうべく、サンダルの素材としてタイヤを再活用したいと考えました。2009年にバリ島で「インドソール」社を起業し、現在は経営者としてチームメンバーとともに世界中で廃タイヤ問題への取り組みを続けています。

「インドソール」のサンダルの特徴

「インドソール」の看板商品は、ビーチサンダルのエッセンシャル・フリップ・フロップです。独自技術を用いて作った廃タイヤのソールに、天然ゴムやビーガン素材を使用したアッパー部分が特徴です。快適さと耐久性に優れた高品質な商品ですが、価格は3,800円+税(編集部調べ) とお手ごろ。カラーは、leaf(木の葉)、sea salt(海塩)、shore(岸)など、自然を意識した肌馴染みが良くおしゃれな色合いの12色展開です。前開きスリッパのエッセンシャル・スライド、クロスサンダルのエッセンシャル・クロスも販売しています。

スペイン発のサステナブルブランド「エコアルフ」

波打際をサンダル片手に歩くサングラスの女性

スペイン発のブランド「エコアルフ」も廃タイヤを使ったサンダルを作っています。環境に優しいアイテムを数多く展開する同社の特徴と、2020年に販売を開始した廃タイヤサンダルについて紹介します。

地球環境に配慮した服作りをしている

スペイン発の「エコアルフ」は、すべての製品を再生素材や環境負荷に配慮した天然素材のみで製造しているサステナブルファッションブランドです。タイヤ、漁網、ペットボトルなどのゴミをリサイクルしてこれまでに300種類以上の生地を開発してきました。廃棄タイヤをリサイクルして作った同社のタイヤビーチサンダルを、三陽商会が2020年春より日本で販売しています。

「エコアルフ」のサンダルの特徴

「エコアルフ」は2020年春にタイヤビーチサンダルのメンズ・ウィメンズ計11色を発売しました。タイヤビーチサンダルは耐久性と適度な重みで歩きやすいと好評です。デザイン性も高くリサイクルのイメージを覆す鮮やかでポップなカラーリングが特徴です。バニラエッセンスの香り付けもアクセントとして話題に。

廃タイヤ以外も!エコ素材のシューズを販売するブランド

廃タイヤを使ったサンダルを販売する「インドソール」や「エコアルフ」以外にも、サステナビリティを意識したエコ素材のシューズを販売ブランドがあります。それらのブランドと取り組み内容を紹介します。

オールバーズ

オールバーズは2016年にサンフランシスコで誕生し、西海岸を中心に人気の環境に配慮したシューズブランドです。日本では2020年1月に原宿に第1号店がオープンしました。ブランドのシグニチャーとなっているのがWool Runners(ウールランナー)。最高級のニュージーランド産メリノウールを使用した快適なシューズで、シューレースに再生ポリエステル、インソールにはヒマシ油を用い、石油を使わないことで炭素排出量を抑えることを意識して作られています。シューズのカラーとソールカラーの組み合わせで選べたりと、ファッション性にも優れた商品です。

アディダス

アディダスは環境保護団体のParley for the Oceansと共同で行う環境活動の一環として、海洋廃棄プラスチックを原料とした製品を開発しています。最初に注目されたリサイクル素材のシューズは、2016年発売の3Dプリントシューズです。違法操業船などから海中に投棄された有毒海洋廃棄物を引き上げ材料とした縫製糸などが原料で、3Dプリントされるミッドソールには海中や浜辺に廃棄されたプラスチックゴミから作られたリサイクルポリエステルを使用しています。

後に3Dプリントシューズの進化版「UltraBoost Uncaged Parley sneakers」も発売され、ミッドソールに95%の海洋廃棄プラスチックと5%のリサイクルポリエステルを原料に用いた他、縫製糸までリサイクル材料から生成したことが話題を呼びました。

廃タイヤのサンダルでサステナブルファッションを取り入れよう

青い空背景のリサイクル車とタイヤ

廃タイヤを活用したサステナブルなサンダルの製造は、タイヤの廃棄問題の解決策として注目されています。「インドソール」を筆頭に、今後も益々商品の幅が広がりそうです。廃タイヤで作ったおしゃれで履き心地の良いサンダルで、ファッションにもサステナビリティを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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kaya
サムネイル: kaya
いつか欲しいものはエルメスのバーキン。それが似合う女になるべく、自分を磨いています。