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洋服・靴

アップサイクルの意味とニーズは?家でできるアイデア例も紹介

環境の保護を目的に、リサイクルなどの活動が推進されるようになって久しいですが、今「アップサイクル」というワードが注目されています。アップサイクルとは「不用品を蘇らせる」という趣旨の活動であり、この言葉の正しい意味や意義が今後ますます世の中に浸透していくでしょう。今回はアップサイクルの意味や実例を紹介します。

アップサイクルとは

アップサイクルはヨーロッパで注目を浴び始めたワードで、ファッション業界や雑貨業界を中心にさまざまなジャンルで取り組まれています。では早速、アップサイクルの意味とその意義を紹介します。

アップサイクルが生まれるまで

アップサイクルとは、使われなくなった不用品や廃棄物を、素材や形状を活かしつつアイデアを加えて、違った用途の物へと再生させる活動を言います。
デザイン性が高く、生まれ変わることでよりオリジナルな価値が付随されることが特徴です。

自然環境を保護するため、世界的にリサイクルやリユースの活動が活発となりましたが、それらはサスティナブル(持続可能)な活動へ結びつけるためです。アップサイクルは、サスティナブルな環境の確立を叶えるより一層強固な取り組みとして期待されています。
ヨーロッパのフランスやスイスなど、環境の保護・保全に積極的に取り組む地域で特に熱いブームとなっており、地域やジャンルを超えて熱が高まっていくでしょう。

アップサイクルと3R(リデュース・リユース・リサイクル)の違い

「アップサイクルとリサイクルとで何が違うの?」「不用品を再生するという意味では同じでは?」と考える人もいるかもしれません。そこで、循環型の社会を目指し、今も積極的に推進されている3R(リデュース・リユース・リサイクル)とアップサイクルとの違いを説明します。
・リデュース:廃棄物の発生を少なくする ex)スーパーでのマイバックの活用
・リユース:不用品やその部品を繰り返し使う ex)フリマアプリで売買する
・リサイクル:不用品を資源化し再利用する ex)ペットボトルがトイレットペーパーに

アップサイクルは、不用品を違う物に生まれ変わらせるという点においてリサイクルに近いですが、資源化ではなくその形状や特質を生かすことが特徴であり相違点です。さらにアイデアを加えることで、全く違う使用用途や高いデザイン性、オリジナリティの創出を可能にします。

今アップサイクルが求められる理由

自然を守り、循環型の社会を目指すためにリサイクルなどの活動が行われていますが、全てがのモノがその対象になるとは限りません。
そのままの形で人の手に渡すこともできないし、資源化して再利用することもできない、そういった不用品に新たな可能性を生み出すことで、循環型、サスティナブルな社会をより強く前進させることが期待できます。
特に服は、古着をそのまま売買することはあっても、一手間加えて違う衣服に変えて世に出すことは、ファッションに関する知識や技術のある専門家でないと難しいですよね。その点でも、これまでリユースしか選択肢がなかったジャンルに新たな選択肢を設けられる画期的なアイデアといえます。
また、「服から服へ」という既成概念を打ち破り、誰も思いつかなかったような用途の変化が、アップサイクルの意義です。アップサイクルの浸透により、不用品や廃棄物にも未来の可能性がたくさん詰まっているという考え方が広まるでしょう。

アップサイクルとダウンサイクル

アップサイクルは、不用品にアイデアを加えて蘇らせ、その価値が上げることが目的です。つまり、価値が上がらない(もしくは維持できない)ようであれば、アップサイクルとは言えません。
一方で、不用品を有効的に活用しつつ、物としては価値が下がることをダウンサイクルと言います。価値は、費用面や作成の難易度を加味したあくまでも一般的な感覚です。例えば、いらなくなったTシャツをきって雑巾にするなどはダウンサイクルに該当します。

ファッション業界におけるアップサイクルの実例

ヨーロッパのファッション業界を中心に、革新的なアップサイクルの活動が進んでいます。世界的にも有名な3つの実例を紹介します。

レ ショセッツ デ フランスの靴下アップサイクル

フランスの靴下を専門に製造する会社「レ ショセッツ デ フランス(La Chaussette de France)」では、フランスの全土から片方だけになったり履けなくなったりした靴下を集め、アップサイクルする活動を行っています。集められた片方だけの靴下たちはしっかりと洗われた後、新たに手を加えて、同じ靴下のほか、パソコンケースやポーチなどに変身。商品としてデパートなどで販売されています。

フライターグの自動車&自転車部品のアップサイクル

アップサイクルの先駆け的存在といえるのが、スイスのバッグブランド「フライターグ(FREITAG)」です。
自動車や自転車の部品という、ファッションとはまったく関係のないジャンルの廃棄物を使用して、フライターグにしかないオリジナルなバッグを生み出しました。
具体的には、中古のトラックについていた幌(ターポリン)と、廃棄された自転車のチューブ、シートベルトを使って、自転車用メッセンジャーバッグなどを作成。これらの素材はもともと強度があり、非常に丈夫なバッグの制作が可能です。その製造過程はすべて手作りで、この世に2つと同じアイテムはありません。アップサイクルとして魅力的なだけでなく高いデザイン性も備え、人気を集めています。
バッグの制作が始まったのは1993年で、瞬く間に世界の市場へと活動を広げ、日本にも支店を有しています。そのビジネスモデルは、ファッション業界のみならずビジネスの業界からも注目されています。

マックスマーラはアップサイクルで新しい生地を開発

イタリアのファッションブランド「マックスマーラ(MaxMra)」は、衣服の製作時に出る端切れなどの余った素材をアップサイクルし、新たな素材を創出するプロジェクトに取り組んでいます。その結果、非常にクオリティの高い中綿素材を作ることに成功したのです。

実はファッション業界は、高い素材をコレクションのために贅沢に使用し、余った生地は廃材になるなど、生産性が低い点が特徴であり問題視されてきました。
そんな中、作られた服をアップサイクルするだけでなく廃材をアップサイクルするのはとても画期的だといえます。

自宅でできるアップサイクルアイデア3選

アップサイクルの考え方をライフスタイルに取り入れれば、ゴミとして捨てられるものはぐんと減るかもしれませんね。家でもすぐ実践できるアップサイクルのアイデアを紹介します。

着なくなったデニムがポーチに

サイズアウトしたものや古くなったデニムを、アップサイクルしてポーチへと変身させるアイデア。
膝が擦り切れたジーンスを裁断してショートパンツにする方法は、よく知られていて実践したことがある人もいるでしょう。今度は、服から服ではなく、服から雑貨へのアップサイクルにぜひ挑戦を。
やり方は簡単で、両方の後ろポケット部分を切り取り、2つを縫い合わせジッパーをつけるだけで簡単ミニポーチに変身します。ジーンズのしっかりした厚手の素材は、ポーチなどの生活用品に蘇らせるのにぴったりの素材ですよね。
さまざまな色のジーンズを切ってパッチワークにするのも、かわいくて自分らしいセンスが出るおすすめアップサイクルです。

Tシャツが色々なアイテムに変身

衣服の中でも特に量が多くなりそうなのが、Tシャツです。傷んできたら部屋着として着るのもいいけれど、アップサイクルでまったく違うものへ変えてみませんか?アレンジしてオリジナルのTシャツにするのもいいですね。
簡単でかわいいおすすめのアイデアが、エコバッグへのアップサイクルです。Tシャツの袖部分と、首周りを少し裁断し、ほつれないように縫います。あとは、Tシャツの下部分を縫い合わせるのみ。見た目にはTシャツそのままですが、自分だけのエコバッグの完成です。
ほかにもコースターやベルトなど、さまざまな用途へと変えられます。柔らかい素材のため、細く切ることで紐状にし、編み物の要領で物を作ることもできますよ。

セーターをルームシューズに

セーターは、引っ掛けたり毛玉になったりして、着られなくなることも多い衣服です。思い切ってセーターを切り、あたたかいルームシューズや靴下に変身させてしまいましょう。
袖部分を使ってレッグウォーマーにする方法は、初心者でも簡単にできるおすすめアイデアです。切った部分だけほつれないように処理すればOKですよ。編み物が苦手な人も、普通の糸と針を使用したまつり縫いで、ほつれないように工夫できます。
かわいい自分だけのあったかアイテムが完成です。

アップサイクルを習慣に、よりファッショナブルに

自宅でできるアップサイクルを見ていて、「これってつまりリメイクなのでは?」と感じた人も多いのではないでしょうか。元ある物に一手間加えて新たな使用用途の物に生まれ変わらせることは、これまでも多く取り組まれてきました。その取り組みに「アップサイクル」という名がつき、これまでその取り組みが希薄だったジャンルにも浸透して世界全体で盛り上げることで、ゴミを生み出さずに宝物に変える習慣がスピードを上げて広まろうとしています。みなさんもぜひ、捨てる前に「アップサイクル」できないかな?とアイデアを出してみてくださいね。

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JUNO
サムネイル: JUNO
趣味はカメラと美術館めぐり。アートからインスピレーションを得た自分だけのファッションを楽しむのが好き。