1. HOME
  2. コラム
  3. 【私たちのサステナブル Vol.3】エシカル・コンシェルジュとして活躍中の大信田 千尋さん
サムネイル
洋服・靴

【私たちのサステナブル Vol.3】エシカル・コンシェルジュとして活躍中の大信田 千尋さん

リユースアイテムを活用して賢くオシャレになる方法をご紹介しているKÓMERUでは、サスティナブルなライフスタイルに注目しています。3回目となる今回は、エシカル・コンシェルジュとして活動中の大信田 千尋さんにお話を伺いました。

目次

サスティナブルとは「モノの一生を考えること」

ー「サスティナブル」という言葉が浸透しつつありますが、その解釈は人によってさまざま。まずはじめに、大信田さんにとっての「サスティナブル」とはどういう意味か教えてください。

私にとってのサスティナブルとは、モノの過去・現在・未来のことを考えることです。

その時の一時的な感情ではなく自分の選択がどのような未来につながっているか考えることで、深刻化している世界の問題・社会問題を解決するための有効的な考え方だと思っています。

ー大信田さんはエシカル・コンシェルジュということですが、「エシカル」とはどのような考え方なのでしょうか?

「エシカル」とは英語で直訳すると「倫理的な」という意味で、善悪の判断において普遍的な基準となるものです。今では、人や社会・地域・地球環境へ配慮した考え方や行動のことを指すようになりました。
簡単に言うと、自分のことだけではなく、人や動物、自然、地球のことを考えて行動することです。
エシカルの考え方の中に「サスティナブル」やオーガニック、リサイクル、ゼロウェイスト、フェアトレード、アニマルウェルフェア、SDGsなど、この他にも様々な分野があります。
エシカルはファッションやコスメ、食事、生活用品、インテリア、エネルギー、金融など、様々な私たちの身近なものにつながっていているんです。

ー具体的にはどのような活動をされていますか?

エシカル・コンシェルジュ講座や様々なイベントに参加し感じたことや、普段の生活で発見したエシカルをInstagramを中心に発信しています。

今年の8月には鎌倉で「はじめてのエシカル」というイベントを企画・開催し、9月にはエシカルtripと題して約1カ月弱、5か国9都市(デンマーク・スウェーデン・ベルギー・スイス・アメリカ)を旅していました。

来年はエシカルについて直接お話しできるようなイベントを開催していきたいと思っています。

ーエシカル・コンシェルジュとして活動することになったきっかけを教えてください。

きっかけは、2019年3月に長谷川潤さんのpodcast「Heart to Heart」で末吉里花さんがエシカルについてお話しているのを聞いたことでした。

聞いている途中からとてもワクワクして、ずっと探していたものを見つけたような衝撃がありました。「これだっ!」と思った私は、エシカル協会が主催する「エシカル・コンシェルジュ講座」を受けることにしました。

ー大信田さんご自身がオーストラリアに留学された経験も影響されているのだとか?

はい、エシカルという言葉にピンときた理由は、オーストラリアのByron Bayに1年間留学していたことにあります。

オーストラリアの偉大な自然は私にたくさんの癒しや感動を与えてくれました。それと同時に、日本にいては気づけなかったことを知らぬ間にたくさん吸収していました。日本に帰国したときに感じた違和感は今でも忘れられません。

留学中にプラスチックの海洋汚染問題や、実はプラスチックはほとんどリサイクルされていないという事実を知っていた私は、日本のプラスチックの量の多さに衝撃を受けました。そして日本の状態を見て危機感を感じたんです。

このままではあの綺麗な海や自然がなくなってしまうかもしれない。それを阻止するために私にできることがしたい。自然に恩返しがしたい。そう思うようになりました。でも私一人に何ができるだろう…。そう思っていた時に出会ったのがエシカルという考え方です。

エシカル、サスティナブルを実現するために「学んだことはシェア」

エシカル・コンシェルジュの活動をする時に心がけていることは何ですか?

コンシェルジュとして活動するにあたり、学んだことや体験したことを私止まりにせずに周りにシェアすることが大切だと思っています。

エシカルやサスティナブルな社会を実現するためには様々な世界問題や社会問題を知ることになりますが、どれも問題が山積みで頭を抱えてしまうことも多いんです。

でも、そこで行動が止まってしまったら何も前に進まない。だからほんの少しでも自分にできることをするようにしています。そして、できるだけ何でもポジティブに変換して楽しく発信することを心がけていますね。

強制することはできないけれど共有することはできる。それが誰かの目に心に留まって何かのきっかけになってくれたら良いなと思っています。

つくる責任、つかう責任

ー環境汚染に大きな影響があると言われているアパレル業界ですが、ファッションついてどういうことがサスティナブルにつながると思いますか?

まず企業の影響はとても大きいので、いつもこのようなことを取り入れていただきたいなぁと日頃から思っています。

・大量生産の見直し
・安価なファストファッションから長く使える商品作りへの移行
・修理サービスの拡充
・環境に負荷の少ない天然素材や既存素材の活用
・リサイクル素材の活用
・生産地に廃棄される余剰素材の活用 など

このように人や環境に配慮した商品を増やして、消費者への選択肢を増やすことがサスティナブルにつながると思います。

そして、私がいつも心がけているのは、

・買う前に「本当に必要か?」をよく考える
・必要ないものは買わない
・買うときは長く使えるものを買う
・新しいものではなくセカンドハンドを利用する
・壊れたら修理して使う など

ということ。自分の選択がどのような未来につながっているか考えることがサスティナブルにつながると思います。

安易なリユースではなく吟味した上でのリユースを

ー最後に、コメ兵が長年携わっている「リユース」がサスティナブルな消費のカタチとして注目されています。あなたは「リユース」に対してどんな印象をお持ちですか?

とても好印象ですし、私自身もよくそのようなサービスを利用しています。

既にモノで溢れている時代です。サスティナブルがどんどん注目され始めていますし、不要になったものは捨てるのではなく、再利用する時代がますます来ていると思っています。

ただ、買ってもいらなくなったら売れば良いやという考えで安易に購入するのではなく、あくまでも本当に必要か考えた上で購入して、それでも不要になったものがリユースされるという循環であって欲しいと思っています。

photo by:大信田千尋

writer profile
JUNO
サムネイル: JUNO
趣味はカメラと美術館めぐり。アートからインスピレーションを得た自分だけのファッションを楽しむのが好き。