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サスティナブルファッションの基準、あなたができる取り組みとは

ファッション業界は石油産業に次いで環境汚染に影響を与えていると言われていることをご存知ですか?そんな中、再利用された素材で作られたファッションの開発や、リユースアイテムの活用など「サスティナブル(持続可能な)ファッション」が注目されています。ここではサスティナブルファッションについて詳しくご紹介します。

注目が高まる「サスティナブルファッション」

新しいトレンドにワクワクしたり、季節ごとに楽しませてくれるファッション。
実は今、ファッション業界に大きな変化が起こっているんです。
それは地球環境を意識した「サスティナブル」な取り組み。

今回は、今注目されている「サスティナブルファッション」についてお伝えしていきます。

「サスティナブルファッション」について知ろう

大量に生み出され、大量に捨てられる衣料品たち

実は、ファッション業界は「世界で2番目に環境汚染を引き起こしている業界」と言われるほど、環境に与える影響の高さが懸念されています。


ファッション業界で問題視されているのは「大量生産・大量消費・大量廃棄」です。2016年の経済産業省の調査によると衣料品の廃棄量は年間で100万トン。枚数に換算すると30億着の衣料品が捨てられていることになります。これに対し、毎年の衣料品供給量は40億着。毎年の廃棄量よりさらに多くの衣料品が生産され供給されているのです。

ファストファッションの台頭により個人の衣料品の新陳代謝が急速に高まり、衣料品を購入しても1シーズンだけ着用してすぐに廃棄するような現象が多くの人の「当たり前」になりつつあります。

廃棄された服は主に焼却処理をされますが、その時に発生する二酸化炭素が地球温暖化を助長してしまうのです。

「持続可能な」ファッションとは

使い捨ての服が大量生産されている一方で、ファッション業界では環境に配慮した取り組みに注目が集まっていて、ファッション雑誌やWEBサイトでは「サスティナブルファッション」という言葉を見る機会が増えました。

サスティナブル(Sustainable)とは、日本語訳で「維持できる、持続可能な」という意味です。そして、ファッション業界でいうとサスティナブルとは、天然素材に頼らないものづくりや、最新のリサイクル技術を用いて廃棄物から新しいアイテムを生み出すこと、そして質が良く長く愛用できるような服を作るなどの取り組みを指します。

サスティナブルファッションへの動き

昨今では、ファッションデザイナーが自ら環境問題の解決にチャレンジしてリサイクル素材や天然繊維を活用した衣服をデザインしたり、ファッションブランドが古着販売に乗り出したりと供給側の自発的な行動が多数見られるようになりました。

また、このようなファッション業界の自発的な動きと平行して、政府もルールの整備に乗り出しています。
一番話題になったのがフランス政府が衣料品の廃棄を禁止しる法案の制定に着手したこと。
多くのハイブランドではブランドイメージが毀損されないよう、売れ残った商品を廃棄する習慣がありますが、このフランスの法案が可決されたら、たくさんのハイブランドが供給量の調整や、売れ残り商品の対処方法の検討せざるを得なくなります。

サスティナブルファッションと呼ばれる条件とは

アニマルフリー(Animal Free)

皮革や動物性素材を使わずに作られた製品のことです。
ブランドによって表記は様々ですが、服のタグなどに<<Animal Free>> <<NO MORE FEATHERS>>など書かれたものはアニマルフリーの商品です。


衣類に使われる動物性素材には主に以下のようなものがあり、多くのケースではこれらの素材を取るために動物達が劣悪な環境で飼育されていたり、殺されたりしている現実も。

・毛皮(リアルファー):ウサギ、キツネ、タヌキ
・フェザー・ダウン:水鳥、ガチョウの羽
・ウール:羊
・アンゴラ:ウサギ
・レザー(皮革):牛、豚、羊、クロコダイル、オーストリッチ(ダチョウ)

アニマルフリーではエコファー、自然素材のコットン、ベジタリアンレザーなどの素材で作られた素敵なデザインの服やバッグ、靴などあります。商品を買う前に何の素材でできているかタグをぜひチェックしてみてください。

尚、シャネルでは2018年12月にワニ、トカゲ、ヘビ、エイなどのエキゾチックレザーやリアルファーの使用を一切廃止する発表をしています。

オーガニックコットン(Organic Cotton)

農薬、化学薬剤などを使わずに栽培した天然繊維のコットンです。オーガニックコットンは着ごごちの良さはもちろん、農薬や化学薬剤を使わないことから生産者の健康にも配慮されています。作る人・着る人の生活と健康を守り、環境にも優しい素材です。

フェアトレード(Fair Trade)

直訳すると「公平・公正な貿易」。公平なお金でやり取りをすることで世界中をつなぎ、より良い方向に変える仕組みのことです。
日本では途上国で生産された服がとても安い価格で販売されていることがあります。生産国では、その安さを生み出すために適正なお金が生産者に支払われなかったり、生産性を上げるために大量の農薬が使われ、環境や生産者の健康に被害を及ぼす事態が起こっています。
こうした人々が安定した収入を得られる為に、社会貢献の仕組みが取り入れられています。


<フェアトレード認証団体>
Fairtrade Lablelling Organizations International (FLO)

World Fair Trade Organization (WFTO)

TransFair

テーラーメイド(Tailor-made)

昨今のファッションは、低価格を維持しつつ変化の激しいトレンドに対応するために、工場では大量の洋服が作られています。そしてトレンドと共に着られなくなってしまったものも多く、それらがゴミとして捨てられてしまいます。

それに対しテーラーメイドは大量生産の服ではなく、品質を重視した服を特別に仕立てます。
テーラーメイドは品質を重視して長く愛用できるもの、長く使えて価格に見合ったものを身につけようという意味です。
イギリスでは「テーラーメイド」、フランスでは「オートクチュール」、和製英語では「オーダーメイド」とも呼びます。

リサイクル(Recycled)

着なくなった服やアクセサリーなどを再利用し、また新たな目的を持たせることです。服は繊維を紡ぎ直して、枕の中身や家庭用断熱材などに再利用することで、新たな価値を作ることができます。

ヴィンテージ(Vintage)

ヴィンテージとは、1920年~1975年の間に作られた洋服・古着を意味します。しかし最近では、いくつかの古着を組み合わせ、新しく生まれ変わらせるアップサイクル品をヴィンテージと呼ぶこともあります。

リユース(Reuse)

不要になった衣料品を他人に譲ったり販売したりすること。リサイクルが形を変えるのに対し、リユースはそのまま形は変えずに所有者が変わります。中古ブランド品の売買、フリーマーケット、ガレッジセールなどがリユースに該当します。

サスティナブルな取り組みをしているブランド

私たちに身近な企業やファッションブランドがサスティナブルな取り組みをしているので紹介していきます。

H&M

大手ファストファッション企業のH&Mですが、サスティナブルファッションの様々な取り組みをしています。回収した古着を新しいデニムに蘇らせたり、オーガニックコットンやリサイクル、ポリエステルなどの素材を使用した最先端のサスティナブルファッションを展開しています。また公平で平等な職場作りなど、雇用に関する社会問題に対してもH&Mは率先して力を入れています。

無印良品

最近では多くのアパレルメーカーがオーガニックコットンの活用を進めていますが、いち早くこれに取り組んだのが無印良品です。「資源を無駄にしない」という理念のもと、2000年からこの取り組みを始め2018年には商品に使われるコットンの100%がオーガニックコットンへと変わりました。また、2015年から「ReMUJI」をスタートし家庭で不要になった衣料品等を店舗で回収するリサイクル・リユースの取り組みも行なっています。

ミヴァコンス(MES VACANCES)

女優の柴咲コウさんのアパレルブランド、ミヴァコンス。彼女自身が環境に対して抱いていた矛盾を解決していきたいという想いから、様々なサスティナブルファッションを発信しています。

人工ファーを用いたコートや100%無縫製ニットドレスなど洋服やアイテムもシンプルで長く愛用できるものが多く、素材や着心地の良さにも配慮されています。また、メンテナンスの簡単さを追求したり着る人にも優しい服など、彼女自身も様々なメッセージと環境へのチャレンジをおこなっています。

PANGAIA(パンゲア)

環境改善に取り組む科学者、技術者やデザイナーなどによって作られた「PANGAIA」。海藻からできた繊維を20%用いたTシャツ、ペットボトルから作られたフードやスウェットパンツなど再生可能な資源を用いたサスティナブルファッションを展開しています。

また、PANAGAIAのアプリでタグをスキャンすると商品の詳細が見れ、すべての工程の透明性が情報公開されています。その他にもゴミを出さない循環システムなどの取り組みをおこなっています。

今あなたができるサスティナブルファッション

サスティナブルな取り組みをしているブランドをいくつか紹介しましたが、上記のブランドを購入する以外にも、今あなたがこれからできることをお伝えしていきます。

素材を見て選ぶ

環境に優しい素材は自然環境だけでなく生産者の健康や動物を守ってくれます。
買い物をするときはタグや商品情報を見て、素材は何からできているのか、どんなルートを辿って作られているのかをぜひチェックしてみてください。

大量生産品ではなく品質を重視して買う

好きなものを大切に長く使うこともサスティナブルファッションの1つです。
「流行っているから」「安いから」という基準で物を買うのではなく、「質がいいから長く大切に使えそう」「着ていて心地がいい」と思える感覚を大事にお買い物をしてみてはいかがでしょうか。

また、そのアイテムが不要になってリユースすることになった時、どれくらいの価格で販売できるのかを予めチェックするのも賢い行動の一つです。

リサイクルする

着なくなった服やアクセサリーを売ること・中古品を買うことも循環型ファッションへの貢献です。物をリサイクルすることで、また新たな目的・価値を持たせることができますよ。

地球に優しいサスティナブルファッション

サスティナブルファッションは、地球環境に対して「私たちは今何ができるのか」考えるきっかけにもなります。

「自分もファッションを楽しむなら、作っている人も幸せだったらいいな」とシンプルに興味を持つこともサスティナブルファッションの第一歩目。
意外と身近にサスティナブルファッションは存在していて、すぐにできる取り組みもあります。
ぜひ新しい視点からおしゃれを楽しんでみてください!

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